光を灯すとその存在感と彩色美に圧倒されるガレ後期の代表的な大型ランプ。同意匠のランプは、高さ約66cmのものもあるが、本作は大型のもので大変貴重である。北澤美術館に同型作品が所蔵されている。<br>大きな笠には、森閑とした木々、湖畔を望む山小屋などの雄大な山林風景が、脚台には湖から流れ落ちる滝の流水が見事に酸化腐蝕彫りされている。酸による彫りの深浅に微妙な変化を与えることで、平面であるはずのガラスの表面に遠近感が生まれ、まるでモチーフが浮き出てくるような立体的な表情を見せる。